
入社のきっかけ
もともとものづくりに興味があり、仕事を探していた際に製造業を視野に入れていました。偶然、ギターのパーツを製造している会社を見つけ、ギターを趣味としていたこともあり、興味を持ち応募しました。フレットについての詳しい知識はなかったのですが、入社後にその奥深さを知り、さらに興味が湧きました。
入社前はフレットがどのように作られているか考えたこともありませんでしたが、実際に製造工程を知ると、種類の多さや細かな違いが音や弾き心地に大きく影響することを実感しました。特に、自分で製造したフレットをギターに取り付けて弾いたとき、その違いをはっきりと感じることができ、仕事の面白さがさらに増しました。
ギター好きだからこそ見える面白さとやりがい
自分が好きなギターに関わる仕事だからこそ、深く知るほど面白いし、やりがいを感じます。単にフレットを作るだけでなく、「どうしたらより良いものになるか」を考えながら取り組んでいます。
今までの仕事の中で特に印象に残っているのは、一人で作業を任されるようになった時のこと。最初は先輩について学びながらでしたが、ある時からすべて自分の判断で進めるようになりました。その時、仕事の責任感が増したと同時に、職人としての自覚も強くなったんです。


フレットの精度が評価される喜び
フレットは目に見えないほどの細かな精度が求められるパーツ。ミリ単位の誤差が演奏性や音質に大きく影響を与えるため、わずかなズレも許されません。
海外のギターメーカー、特にフェンダー社やテイラー社といった世界的なギターメーカーからも『ここのフレットは精度がすごい』と評価をいただいていて。特にフレットの高さや幅の正確さには信頼をいただいているようで、それが自分たちの仕事の成果として認められるのは嬉しいですね。それがやりがいにもつながっています。
求められるのは集中力と計画性
手先の器用さも大切ですが、それ以上に大事なのは集中力と細かい作業をコツコツと続けられることですね。フレットの製造は細かな調整が必要で、ほんのわずかな違いが最終的な品質に影響するんです。また、複数の工程を同時に進めることが求められるので、状況を見ながら効率的に動ける人が向いていると思います。
新たな挑戦——異なる素材の可能性を探る
今後は素材による音の違いを研究できたらと思います。
実際に自分のギターにフレットを打ち込んだことで、材質が違うと音が変わると実感しました。また、もしニッケルフリーのフレットを作れたら、金属アレルギーの人にも安心して使ってもらえるかもしれない。
異なる素材のフレットを試しながら、より良い音を追求する製品を作り上げるために、これからも挑戦を続けたいです。
フレットという小さなパーツに込められた、職人たちの情熱と探究心。彼らの手によって、今日も世界中のギタリストたちの演奏を支えるフレットが生み出されています。

